うむ

5ヶ月ぐらいぶり。


仮面ライダーWが終わった。
ここ数日ぼくはWのことばかりを考えていて、当分は熱が続きそうだ。


仮面ライダーW、何がそんなに良かったの?とずっと考えるわけだけれど、
そこは思うところがいくつかある。


例えばひとつは「復讐」とか「家族」というやや重めのキーワードが登場して
ある意味仮面ライダーらしい、というと変だけど、
いやそもそもまともに見る仮面ライダークウガ以来のぼくに言えることじゃないんだけど、
それをちゃんと子供向けにまとめてるところ。


また例えば度々「犯人当て」の流れで典型的なミスディレクションをたたみ掛けているところ。


あとは「昨日の行動を繰り返させる」イエスタデイ・ドーパントのように
ジョジョ4部的な搦め手能力バトルも組み込んじゃってるところ。
(しかもその攻略の仕方が、
ライダーのデザインを変えることによって敵の刻印を消したからOK!
なんて超理論なところもむちゃくちゃジョジョ4部的だと思った)


などなどあるのだが、わけても、「キャラクターの良さ」が印象的だった。


特にお気に入りは主人公、左翔太郎で、
これがハードボイルドに憧れるも甘さが目立ってハーフボイルド(半熟)
というなんともかわいい奴なんだけど、
この翔太郎の2.5枚目っぷりがこの作品の魅力のキモなんじゃないかと思う。


翔太郎があらゆるところでここぞとばかりに繰り出す
キメッキメなポーズや台詞はじわじわとスベリながらも、
基本的に2話1セットの構成の中で最後に下衆な敵を追い詰めたときなんかは
これが妙にハマってしまって悔しいけどカッコよかったりする。


序盤の中ボス的な存在である園崎霧彦もかなりこれに似てる。
かっこつけで自信家、設定上はそこそこ強いはずなのに、
実際は大して主人公たちを追い詰めないし、
せっかく「精神のみのドーパント!大発見!」の功績に喜んだりすると
サイコパス気味の奥さんに「そんなものは研究ずみよ」と一蹴される。
でもかっこつけてニヤニヤしてる。そこがすてき。



そして2.5枚目の真の魅力はここからで、
霧彦は結局愛する町を翔太郎に託して死んでしまうのだけど、
自らの死を悟ったときの霧彦の「やせ我慢っぽさ」がとっても秀逸なのだ。
だって若菜姫に向けて別れ際に言う言葉「君のラジオ、好きだったよ」なんて、
悲壮感あふれていて素敵すぎるじゃないですか。
「あんなに自信家だった霧彦さんが弱気になってるよ!」という悲壮感!


翔太郎も翔太郎でハーフボイルドだから、
ダブルの片割れであるフィリップにコンビとして見限られたり、
恩師の娘であるアキコにおやっさんの死を告げられなかったり、
ムスカ大佐よろしくの敵のボスに再起不能にされかけたり、
フィリップがいなくなっちゃう!っていう時に男泣きしたり、
度々へたれていくのだけど、
そこに「カッコつけがカッコつけないときのカッコよさ」が出てきて、
これがやたら胸を打つのですよ!


というわけで、ぼくがここまでダラダラ書いてきて言いたかったのは、
「いつもは多少コケてもカッコつけのキャラが、
本当に追い詰められてやたら泥臭くなったとき」
のシチュエーション燃え、ということ。
ここにきてキャラの挫折とか成長とかがはっきり見えてくる訳で、
それはジャンプ的な友情努力勝利や、敗北修行勝利に近くとも、
さらに一歩進んだかっこよさなんじゃないだろうか。
Wの物語の重要な箇所において、
すなわちvs霧彦、エクストリーム登場、vsテラーそしてvsユートピアと、
この演出がとても効果的に働いていたな、としみじみ考えている。
(ちなみにvsウェザーは照井パートだからちょっと違う。かっこつけっぱなし。決め台詞「振り切るぜ!」だしね)


と、ここまで書いてきた訳だけど、
ダイアリーのタイトルが特撮のことでなく漫画のことである限りは、
漫画における2.5枚目についても触れておかなければ。
漫画界における2.5枚目といえば、七色いんこのことだ。
かっこつけるけどホンネてんや玉サブローにしてやられちゃうあの感じ。
序盤はちゃんと泥棒してるあの感じ。
そしてラスト近くにはマジになっちゃうあの感じ。
まさに2.5枚目。そう思うと翔太郎ってけっこう七色いんこっぽいと言えなくもない。


実は、他にはそういうタイプの主人公ってあんまり思いつかない。
「普段はかっこつけない人がかっこつけるとカッコいい」はよくあるんだけどね。
と、いうことは、これで漫画描けば一山あてられるんじゃね?誰か描いてよ!
などと思いつつ、今回はこの辺で。
文章がかなりギクシャクした気がする。リハビリしていきます。